中国の観光ビザを個人で取得するときの経験談 (2023年5~6月)

はじめに

中国は、コロナ禍前までは日本人はビザなしで観光目的の入境が可能でしたが、現在はビザなし渡航が実質不可能な状態が続いています(トランジットといった一定の条件下では認められるようです1)。

今回、観光目的で中国へ行くことになり、観光本も以前の状態からアップデートされていないというこの状況下で、色々と調べ物をして観光ビザ取得まで至ることができたので、メモとして書き残しておきます。

※今後、状況によっては短期間の観光に対してのビザ免除が復活する可能性があります。その時には、もうほとんどの場合でこの記事は役に立ちません。

申請書の作成

まずはビザの申請書を書く必要があります。「書く」とは言いますが、電子化されているのでオンラインのフォームに従って入力していきます。結構深いことまで記入せねばならず、ビザ申請センターの列の前後に並んでいた人も「XXまで書くとはなあ」と漏らしてしまうほどです。最大の注意点としては、申請書を書く時点で航空機の便と滞在先のホテルは確定させておく必要があるところです。また、白い背景の証明写真も用意しておく必要があります(提出する用の画像ファイル+オフラインで提出する用の証明写真の2つ)。白い背景の証明写真は、普通の設定の証明写真機ではできないので、追加料金を支払って背景を白くしてもらうことで解決しました。写真の大きさはパスポート申請用で構わないようです。申請書に書く量としては真面目に書けば1時間もかからないくらいです。

https://www.visaforchina.cn/TYO2_JP/

このページから基本的には申請や状況の確認を行います。(このページでは東京のみ申請可。大阪などは別ページなようですが、基本的にはサイト構造は同じだと思われるので、適宜読み替えてください。)サイト自体は中国語、日本語、英語の3か国語で利用することができますが、翻訳の精度が正直微妙なところがあり、英語が読める(あるいは中国語が読める)方は適宜往復しながら見ると分かりやすいかと思います。

トップページのスクリーンショットです。高速リンクを使うと、スムーズに申請することができます。具体的手順では手続きの流れや規約などを確認することができます。

早速オンライン申請を進めていきましょう。赤枠の上にある「具体的手順」にあるリンクは査証(ビザ)申請の簡単な手順と必要なもの、手続きの場所、決まりごとなどが書いてありますので、目を通しておきます。いかにもなフォームが現れてラジオボタンやボタンを押していっても、申請自体はすることができず、単純に申請にあたっての詳細情報を見るためだけのページというだけなので、惑わされないようにします。

赤枠の査証をクリックすると、大きく3つのボックスが出てきますが、今回はこれを左から順番に進めていくようなイメージになります。

高速リンクをクリックすると手続きに必要なフォームへのリンク一覧を閲覧できます。

「オンラインによる申請表入力」内の「申請表入力」から進んでいき、順番に入力していきます。途中でデータを保存して、入力を別日などに再開するための機能も用意されています。基本的にはフォームの内容に従って、分からない時はページ内のヘルプを出してみたり、検索してみたりすると大体答えが書いてありますので参考にしてみてください。

申請を完了させるときに、今までのフォームの情報を申請再開できるような形式でダウンロードできるので、ダウンロードしておきましょう。私の場合は提出後に誤りがあることを発見し、再申請が非常に面倒でした。

さて、申請が無事に終わると、送信完了の画面に「申請表番号」なるものが発行されます。東京で申し込んだ場合はTYOから始まる番号の羅列です。これらと申請表のPDFデータを控えて、次のステップ「オンライン予約」に進みます。

オンライン予約には先ほど控えた申請表番号とパスポート番号のペアが必要です。ここで予約することで初めてビザ申請センターに行くことができます。オンライン予約後、メールが届いているか確認しておきましょう。これでひとまずオンラインでの作業は終了です。ただし、ビザ申請サービスセンターは非常に混み合って、ほぼ1ヶ月後、あるいはそれ以降の日時の枠しか空いていませんでした。私の場合は5月18日にオンライン予約を申し込んだ時には、最速が6月13日ごろでしたのでおよそ1ヶ月待ちです。

オンライン予約をしないとセンターに行くことはできません。この時期は1ヶ月待ちなので、余裕を持って準備をする必要があります。

中国ビザ申請サービスセンターへ行く

前章で作成した申請書と予約確認書類のPDFを印刷し、その他ビザ申請に必要な書類などを揃えます。その他の必要なものは公式に用意されている文書を参考にすると良いかと思います。観光ビザの場合はLの欄を見ます。

https://www.visaforchina.cn/TYO2_JP/upload/file/20170427/中国ビザ種類日本語個人用170427.pdf

一通り書類を揃え、印刷したビザ申請書の2箇所(代筆者がいる場合はさらに1箇所)に直筆のサインを行ったら準備完了です。予約した日時にビザ申請サービスセンターへ向かいましょう。

中国ビザ申請サービスセンターでの手続き

さて、サービスセンターでは現在東京近郊に住む全ての人の観光・就労などのビザを発行している上、ビザなし渡航が不可能なのを踏まえると、センターがどのような状況になっているのか非常に想像しやすいかと思います。

私が申請に行った6月13日は13時〜13時半の枠を予約し、12時40分ごろにセンターに到着した2のですが、12時〜13時が昼休みの関係でとんでもない列が形成されていました。結局、申請書類のチェック(列に並ぶタイプの待ち行列)に2時間、チェック後に発行される待ち番号札を片手にひたすら呼び出しモニターを見続けること2時間半、合計4時間半以上かかりました。待ち番号を発行してもらった時点で88人待ちという数字が紙に書いており絶望しました。

待ち番号は先頭のアルファベットが共通する番号内では、基本的に数字の順番に呼び出されるようです。自分の番号がモニターに表示されたら、表示された番号の窓口に向かいます。窓口の方に指示されるがままに顔写真の撮影、指紋の提出、不備がないかを確認していきます。不備があった場合は、その場でペンを渡され書き足すように指示されます。中国への入国記録がなくても、今までのパスポートがあればそれを用意すると若干手続きがスムーズかもしれません(必須ではないです)。最後に請求書を受け取ったらその日の手続きは完了です。普通申請の場合は8,500円ほどかかりますが、それはパスポートの受け取りの日に支払うようです。

審査状況の確認

中国大使館によるビザ申請の手続きの進捗状況自体は、Web上で確認することができます。通常は大丈夫かと思いますが、申請上の何かトラブルが発生した時には確認できるようです(トラブルにならなかったため、どのようになるのかは不明です)。再掲になりますが、以下の選択肢のうち、一番右の「オンライン照会」で状況を調べることができます。

高速リンクをクリックすると手続きに必要なフォームへのリンク一覧を閲覧できます。

適切な情報を入力すると、以下のように分かりやすく表示されます。受け取り番号+電話番号のペアか、申請番号+パスポート番号のペアで閲覧可能です。以下の例の場合だと、一通り処理が終了して、申請サービスセンターにてパスポートの受け取りが可能であることを示しています。提出日の翌日から数えて3日目に受け取り可能の表示になりました。なので、公式HPに掲示されている「普通申請:所要日数は一般に4営業日3」というのは、提出当日も数えて4日ということかと思います。(たまたまかもしれないので、余裕を持って申請しましょう…。)

オンライン照会で具体的な進捗が表示されている画面。
オンライン照会を使うと手続きの進捗状況が閲覧できます。この画面では「公的書類受け取り可能」と表示されています。

パスポートの受け取り

次は1回目のセンター訪問時に渡された請求書(サインと日付の記入が必要)と現金8,500円(種類によって異なります)を携えて向かいます。今度は列にいきなり並ぶ必要はなく、入り口に立っている警備員の方に「受け取りに来ました」と声を掛けると、Mから始まる番号札がもらえます。1回目と同様にひたすら待合室で待つのみなのですが、今回の6月20日は1時間40分くらいの待ち時間で受け取りができました。ビザ・パスポートの受け取りは大きい待合室とは別室の18番以降の窓口で行われるようで、そちらの窓口がある方の待合室で待っても良いかもしれません。

今回の手続き自体は、請求書を窓口の方に渡して、ビザの発行条件を確認し、お金を払うだけなのでそんなに時間はかかりません。ただ、公式HPには現金以外にもいくつか支払いができそうなことが書いてありました4が、自分が今回手続きした窓口には「現金のみ」という張り紙がありました。一時的に使えないだけだったのかもしれませんが要注意です。

そんなこんなで手に入れたビザが以下のようなものです。今回は有効期限3ヶ月以内に高々1回だろうと思ってSingle、30日までのを申請しました。もう少し規制緩くていいんじゃないかなと思います(センターの処理もパンクしてますし…)。

取得できたビザの写真(全景)。万里の長城が背景です。

まとめ

よく分からないかと思うので、簡単に時系列にまとめます。

日付イベント
5月18日(木)ビザのオンライン申請とオンライン予約を完了させる。
6月13日(火)中国ビザ申請サービスセンターへ1回目の訪問。書類とパスポートの提出。
6月20日(火)中国ビザ申請サービスセンターへ2回目の訪問。パスポートとビザの受け取り。
7月末渡航

さいごに

ここまで長くビザの取得方法を書きましたが、正直非常に煩雑です。早くビザなし渡航ができるようになるといいですね。中国に渡航するのは来月なので、また色々と記録を書きたいと思います。

Footnotes

  1. 低速道路. 2023. 『Liyuuさんの中国初凱旋公演に準備期間3週間で突撃したアホなオタクの話』 https://note.com/siiteiebayohane/n/n2793017645e7
  2. 噂によると、日付さえ合っていれば予約時刻かどうかは見られないようです。
  3. 中国签证申请服务中心. 『受付方法-査証情報』 https://www.visaforchina.cn/TYO2_JP/generalinformation/visaknowledge/281031.shtml
  4. 中国签证申请服务中心. 『お支払い方法と料金表-査証情報』 https://www.visaforchina.cn/OSA2_JP/generalinformation/visaknowledge/282419.shtml

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA