中国・上海に行った話(1) (2023年7月)

今までのはなし

前回の投稿では、現在中国本土への渡航に必要なビザの取得についてまとめました。今日は実際に入出国の手続きを含む渡航記録を投稿します。さして難しくはないのですが、入国に関しては情報が少なくて困惑するところがあったので、自分と同じくそういった人にとっての参考になれば…。

入国について

ビザ申請の際に指紋を採取されているため、空港のセルフサービスで指紋提出する必要はありません。また、ビザ関連の窓口にも並ぶ必要がありません。そのため、降機してからはそのまま(コロナ関連の)空港検疫に進むことができます。

指紋を提出していない外国人はここで指紋を提出する必要がある模様です。今回はビザ取得時に提出済みのため、特に手続きは必要ありませんでした。

コロナに関する空港検疫では、事前にWeChatなどで提出可能な健康状況申請書のQRコードを提示して、体温を測定してもらいます。申告書の記入自体は非常に煩雑ですが、航空会社によって出発前のチェックインカウンターで送信済み画面の提示が求められるので、到着してからいろいろと手続きする必要はありません。QRコードを提示するだけなので、スムーズにこの部分は通過することができました。

次に入国審査です。入国カードを記入の上、列に並びます。この時は30分ほど待たされて入国審査を通過することができました。私語禁止とは書いてありましたが、同じ列に並んだアメリカ人の男性の記入サポートを行って談笑するなど、素敵な出会いがありました。

中国の入国カード。裏にも記入するべき事項があります。

国内での決済方法

中国国内では、国際ブランド(VisaやMasterなど)のクレジットカードを直接使うことができる場所が少ないです。また、現金も(使うことはできるようですが)使うと嫌な顔をされる場所が多いらしいという噂を聞きました。なので、事前にWeChatとAliPayの2つでQRコード決済ができるように準備しておきました。こちらの2つではPayPayと同様に国際ブランドのクレジットカードに紐づけて決済ができるため、非常に便利です。ただし、本土の身分証を使った本名認証を行っていない場合は、中国国外での決済ができないようなので、現地に到着しないと確認できないのが悲しいところです。(正確には決済通貨がCNYでないといけないのかもしれません。香港でHKDの決済は利用できませんでした。)

基本的にはこのWeChatとAliPayの2つがあれば生活することができました。コンビニではこれでセルフレジが利用可能になりますし、このアプリ内から利用することができるミニアプリを使うことで地下鉄の運賃の支払いも可能になります。

市街地へ向かうmaglevの利用

入国したら荷物を受け取って、市街地に向かいます。せっかくなので、浦东国际机场(浦東国際空港)から市街地付近まで行けるmaglevに乗りました。航空券を切符(ICカード状です)購入時に提示すると、割引価格で利用することができます。商業運行しているリニアモーターカーは日本にはまだないので、非常に良い経験になりました。ただ、コロナ禍前には400km/h以上の最高速度を誇っていたらしいのですが、現在は旅客数の減少に合わせて全日300km/hが最高速度の運転になっています。山陽新幹線とあまり変わらないですね…。高速運転中は車輪が接地していないこともあり、イメージしているよりかは揺れが少なかったように思います。また、構造もモノレールのような感じで車窓を楽しむことができ、日本のものとはまた違う印象を受けました。

現在の最高速度300km/hで運転する上海トランスラピッドの車内表示の様子。実験的には500km/hまで出せるらしいです。
上海トランスラピッドの車両前部の様子。日本の新幹線やリニア実験線の車両と比べて、車体の鼻が短い構造をしています。

地下鉄の乗り降りの方法

地下鉄にはWeChatのアプリから利用可能なミニプログラム「Shanghai Metro」を使って乗降することができます。改札機にはQRコードリーダが付いているので、そこに向かって5~10cmくらいスマホを離してかざすとゲートが開いて通ることができます。なお、相性があるようで自分は上海滞在中に4回くらい駅員の方に助けてもらいました。自分が見出したコツとしては、スキャンする前に2~3回くらいQRコードをタップしてコードを更新しておくことです。これによって、ほとんどの場合でゲートを一発で通過することができました。技術的にはBluetoothでも改札機と通信しているらしく、周辺機器の検出権限を与える必要があるのも注意です。

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上海の地下鉄の改札機。外国人にとっては切符(ICカード状)を購入するか、QRコードで決済するかのどちらかが便利そうです。なお、切符として使うICカードはかざして使うのではなく、切符のように使うため出札時に回収されます。

地下鉄の発車標は日本よりも細かく秒で表示されていますが、ドアが開くのは0:07辺りなので「カウントをその分ズラせば完璧なのでは」と思わされる仕様でした。無人運転でホームドアが完備されているので、日本並みにダイヤの正確さはあるのかもしれません。

地下鉄の発車標です。乗り場の近くで見ることができます。到着時刻までを秒単位で表示するほか、混雑度が表示されるため、選択的に空いている車両を利用することができます。撮影したのがほぼ終電なので3番目の列車は0秒表示になっています。

滞在したホテル

現地での滞在はEton Hotel(上海裕景大飯店)を利用しました。まあまあ値段はしましたが、非常に良いホテルでした。朝食バイキングでは中国らしいラインナップが揃っており大満足でした。また、フロントは(全員ではありませんが)英語が通じるため、中国語が全く分からなくても滞在することができました。滞在した客室は2722号室でしたが、このような風景でした。黄浦江を近くに見ることができます。

上海中心地・陆家嘴

ホテルにチェックインし、すぐに上海の中心地である陆家嘴(陸家嘴)に行きました。この近辺には言わずと知れたランドマークが密集しており、観光にはもってこいです。足元にある正大广场(正大広場)に繋がる歩道橋をはじめとして、たくさんの観光客で賑わっていました。

初日は空港を出発したのが19時過ぎだったこともあり、あまり観光することはできませんでした。中国は意外と店が閉じるのが全体的に早いうえ、百度(Googleのような検索エンジン)で出てきた営業時間があまり参考になりません。また、地下鉄も終電が早い路線(14号线など)もあるため、夜の行動は注意が必要です。

陆家嘴站(陸家嘴駅)から降りてすぐに东方明珠电视塔(東方明珠テレビ塔)が見えます。思ったより奥行き感があり、迫力満点でした。

現地の方はテレビ塔のことを电视塔(テレビ塔)と呼ぶのではなく东方明珠と呼ぶのが一般的なようです。展望台へ上がるチケットは足元にある自動券売機で購入することができますが、ほとんどの機械が本土の身分証が無いと購入することができず、一番端のもの1台を使う必要があるようです。そちらの機械ではパスポートの番号を入力するなど必要なので、手元に用意しておきます。

东方明珠の展望台へのチケットを購入することができる券売機。様々なバリエーションがあります。

展望台からは上海随一の夜景スポットである外滩を一望することができ、非常にオススメです。ちなみに展望台の天井付近に15cmくらい隙間があり風を感じることができる上、全面的に強化ガラスの床になっているフロアがあるため、高所恐怖症の人には厳しすぎるかもしれません。

展望台から眺める外滩の夜景。結構混雑していて、この時間帯には展望台に上がるには1時間半~2時間ほど待ちました。

また、同じ地区には上海タワー(上海中心大厦)と呼ばれるテレビ塔よりも高いビルが建っています。展望台の高さは546mにあり、東京スカイツリーの展望台450mよりも高いところから上海市街を一望することができます。ただ、自分が行ったときには残念ながら雨も混じるような曇天で、視界が非常に悪かったです。こちらは入場券はオンラインで購入することができるため、敷居はテレビ塔よりも低いように感じました。展望台や入場するゲートのある地下をはじめとして、様々なお店が軒を連ねておりショッピングにも適していそうです。

地上から眺める上海タワー。建物の先端が雲の中に隠れてしまっています。
上海タワーの展望台から眺める陆家嘴と外滩。テレビ塔が眼下にあり、その高さを一層感じることができます。

外滩

先ほどまでで紹介したエリアの対岸となる歴史的建造物が並ぶエリアです。黄浦江はいくつか渡る方法があり、今回はフェリーを使ってみました。他にも川の下を通っている歩道であったり、タクシーやバスを使って道路を渡るなどがありますが、歩道が遠かったりこの川付近は常に慢性的に渋滞をしているためあまりオススメできません。フェリーであれば安価で風景を楽しみながら乗ることができますし、AliPayを使って乗ることができ便利でした。

川の東側から西側へ渡るフェリーの入り口です。片道2人民元(40日本円)かかります。最終便が18時15分と書いてありますが、あまり参考にしない方が良いと思います。なお、現金でも乗れるようです。

外滩に向かうまでに先ほどの摩天楼を一望することができます。これが上海という感じの風景ですね。夜景も撮影しました。

フェリーから撮影した昼のビル群。
外滩から撮影した夜のビル群。ドローンのような何かが何個も飛んでいます(画像左側など)。

またそれらの背後にある英国租界時代の名残となる一風雰囲気の変わったビル群も見逃せません。

外滩にある英国租界の名残となる歴史的建造物群。良い意味で中国らしからぬ雰囲気のビルが立ち並んでいます。現在も商業店や官庁、銀行などが入っているそうです。

なお、外滩は上海有数の観光地であるにも関わらず、多少歩くような距離にしか地下鉄駅がありません。このような歴史的建造物を見るには2号线か10号线の南京东路站を使うと良いと思います。豫园站からもアクセスできますが、エリア的には端の外れなのでわりと歩きますので注意です(決して無理ではありませんが)。

その他・小ネタ

市街地は思っている以上にバイクが多く、さらに結構交通ルール無視みたいな感じになっています。一方、聞くところによると自動車は取り締まりが厳しく、結構ルール遵守といった印象を受けました。自動車は交通違反をカメラに撮影されてしまうと、街角の看板にナンバーが晒上げられるシステムがあります。また駐車違反もカメラで監視されているようで、交通違反の取り締まりの電子化が非常に進んでいる印象を受けました。なお、日本と違って右折時(右側通行のため道路の端部を通行できる方向)には信号は守らなくても良いため、予想だにしない方向から車が来ることがあるので周りをよく見て横断する必要があります(この後掲載している動画を参照すると分かりやすいです)。

街角の看板に交通違反を犯した車両のナンバーが掲示されている様子。これはテレビ塔の近くで撮影しました。
バイク(原付)はかなり縦横無尽に自由に走っている印象を受けました。歩道を走っている姿を頻繁に見ることができます(これが歩道かは微妙ですが)。
上海で印象的であったシーンを少しずつまとめています。時間が無くてまだ(1)ですが…気長に待ってください。

また、上海では公共交通機関に乗る際には常にX線での手荷物検査が必要です。小さい手荷物の場合は目視で確認することで通過できますが、リュックサックなどでは検査が必要です。乗る度に毎回検査が必要ですが、空港の保安検査とは違って厳しくないため慣れてくると時間もかかりません。

終電間際ではX線検査は行っておらず、目視での確認になっていました。ルール上は危険物はもちろんのこと酒類の持ち込みなどができないそうですが、厳しく検査しているかは不明です。

現地でのタクシー利用は本人確認済みのAliPayアカウントなどで呼び、位置情報の確認を電話で受けて対応しなければならないため、日本人観光客が直接使うのは非常に煩雑です。今どきでは、流れのタクシーもほとんどがスマホで呼び出されて迎車になってしまっているものなので、直接捕まえるのも困難です。ターミナル駅などではタクシー列のようなものがあったりして利用のハードルが低いのかもしれませんが、経験していないため不明です。今回の滞在では上海にゆかりのある友人の助けがあり、何度かタクシーを利用することができましたが日本のタクシーに比べると非常に破格なのでもう少し外国人に優しいシステムになってくれれば良いのですが。

上海で利用した個人タクシー。中国では個人タクシーの方が多いといっても過言ではなくらい普及しています。

出国時

まだまだ語りつくせていない上海の魅力はこの次の記事に書くとして、ひとまず出国の流れを紹介したいと思います。入国時は浦东(浦東)を使いましたが、出国は虹桥(虹橋)を使いました。空港ターミナルに入る時点で、まず手荷物検査を受けます。さすが抜かりないですね。

虹桥国际机场に入るとすぐに手荷物検査を受ける必要があります。空港内の保安検査に比べて簡易的です。

往復ともにキャセイパシフィック航空を利用したためチェックインを済ませ、出国審査に向かいます。その道中に入国時と同様にコロナ関連の空港検疫がありますが、入国時と比べて簡便な内容なため同様に回答を済ませてQRコードを示して通過します。出国審査は通過に40分ほどかかりました。それを通過すると保安検査です。保安検査員が非常に分かりにくい指示を飛ばしてくるのが印象的でした。それを通過すると搭乗口になります。所要時間としてはチェックインから含めると1時間ちょいで搭乗口に向かうことができました。

中国の出入国スタンプ。上海には4泊5日の滞在でした。

この後、実は香港でも1泊するなど旅を謳歌していたり、上海でもまだまだ掲載できていない部分もあるので、1回でドカンと出すのではなく少しずつ出していこうかなと思います。

後編を年明けてようやく出しました。ぜひ読んでみてください。

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